あかあかや
食事の時から満月では無いが明るい月が出ている。
焚火の場所に移って、月は一層煌々と輝き森を照らす。
7-8年前の事を思い出した。
「確か11月の終わり頃。 以前の山岳会で急遽金曜日の晩に福井の山をのぼろうと3人で出かけた。
そして、そう、浄法寺山の中腹の野外施設でテント設営終わると午前1時頃か。
前に広がる浄法寺山の深い谷間に煌々と輝く月光が降り注ぎ谷も峯も輝く。
そして私がその光景に触発され、
川端康成がノーベル賞を取った時のスピーチに明恵上人の詩を紹介した。
あかあかや あかあかあかや あかあかや あかあかあかや あかあかや月(上人集)
そして苦労してサイデンステッカーが翻訳した英訳を紹介した。
所が2人共キョトンとして、「私ら、そんな教養無いから」と無視された。
これは教養の話では無く、目の前に広がる月光に感動した気持ちをだれでも解る言葉で表した詩なのに。
以後、その山岳会ではこの種の話は一切しないようにした。」
なぜあの時、この詩を話したかの理由は、煌々と光る月光に明恵上人が感じた心と私が感じた心が一緒だなとの思いに興奮したからです。
これ以後、私が話そうとする話の内容は、相手を選ぶようになりました。
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Comments
shimaさん、
お月様 こうこうと輝いてきれいですね。
あかあかや・・・私もそのお話伺いたかったです。
でも夜中の1時頃に 「あかあかや・・・」は ちょっとパスさせてください。
「眠~い」に違いありません(^^ゞ
Posted by: zucca | October 21, 2008 08:01 PM
zuccaさん
大阪からテントサイトに到着したのが多分零時半頃。
非常に寒い夜でしたが、その寒さが余計に月光を
引き立てて居たと思います。
明恵上人は確か比叡山で一人修行中に出会った月光だったと思います。 だからその背景からの詩ですね。
状況は多少違いますが、月光に魅入られた私がこの詩を
思い出したのは彼の感じと繋がったと思いました。
ですから、寒さも眠さも飛んでしまったのです!
Posted by: shima | October 21, 2008 09:50 PM
shima様
明恵上人の「あかあかや…」を訳された
サイデンステッカーさん。どんなに巧く、
ユーモラスに響いたことでしょう。
その時の聴衆の反応を知りたくなりました
Posted by: nekozizou | October 24, 2008 02:13 PM
nekozizouさん
私は川端康成の本は殆ど読んでいないのですが、受賞のスピーチの本”美しい日本と私”を買いもとめ、その中に他の詩と共に”あかあかや、、”が紹介されており、いかに日本人が自然と共に生活しているかを述べていました。 聴衆の反応は解りませんが多分日本の事をある程度知っている僅かな人しか理解出来なかったと思いますよ。
Posted by: shima | October 25, 2008 01:36 AM